前回の「波乱万丈な僕のチルい若い頃の話 – ブレイクダンスとの出会い」の記事の続きです。
僕は初めて学校以外で日本語が話せる外国人と出会ったこともあって、テンションが上がって彼とは道端でたくさん話した。気付いたら1時間くらい話し込んでいたら彼がいきなり「2週間後に一回ニューヨーク戻るんだ!一緒に来る?」と笑いながら言ってきたので、ノリで「マジ?行くよ!メールアドレス教えて!」って笑いながら答えたら、彼はビックリしながらもメールアドレスを教えてくれた。まさか本気で来るとは思ってなかっただろうなけど、この一言がきっかけで本当にニューヨークに行くことになった。
ブレイクダンスは元々ニューヨークで生まれたヒップホップ要素の1つなこともあって、いつかはいってみたかったけど、こんなにも早く行くことになるとは思ってもなかった。当時は英語も全く話せなかったし、今でもよく行ったなって思うと若いって改めてすごいと思う。しかも、当時はお金が全くなかったのでクレジットカードで航空券を購入して、宿泊先は彼の家に泊めてくれるみたいだったので、3週間の生活費としてなけなしのお金5万円だけドルに換金してニューヨークに行った。
何がすごいって彼と日本で出会ってからニューヨークに行くまではメールのやりとりだけで、先に彼がニューヨークに戻るということだったのでニューアークの空港で僕をピックアップしてもらうことにした。なので、この空港で彼と会うのが2回目だった。今考えてもよく行ったなと思う。
初めて1人で国際便の飛行機に乗る時は緊張した。初のロングフライトもちゃんと体内時計合わせてしっかり寝て、英語がわからない部分は周りにいた日本人の人たちに助けてもらいながらなんとか対応した。そして、ニューヨークへ着いた。飛行機から降りると当たり前だけど周りは全て英語でイミグレーションでは日本人を探すのが難しいくらいだった。
初めての英語での入国は緊張した。最初に書いたけど僕は勉強が本当に出来ないから面接官が何を僕に聞いてるのかも全くわからず、怪しまれたくないから帰りのチケットと泊まる家の住所が書かれた書類を見せた。その後も色々聞かれたけど面接官も僕の英語力に呆れたのか諦めたのか「もう行きな」とスタンプを押して、通してくれた。荷物をピックアップして、ゲートを抜けると外に出るとジュリアンがいた。
あの頃は日本の友達に会う感じで「遊びにきたよー!」と言ってたけど、今考えると出会って2回目のニューヨーカーが空港まで本当に迎えにきてくれたのは奇跡だと思う。ニューヨークに8年以上住んでるけどこの関係性で空港に迎えに来るってすごいね。ジュリアンは本当に良いやつ。ってか、もし彼が来なかったから帰りのチケットまでの3週間どうしてたんだろ?って考えると本当に怖いね。
空港に駐車してた車に乗り込んで、どこかに向かって走り始めた。車内では飛行機の中でのことや最近注目してるダンサーの話とか色々話してたんだけど、周りの景色はテレビで見たようなビル群はなく、自然。違和感しかなかったけど、いつかビル群が見えると思って待つことにした。これは後から知ったんだけど、僕が降りた空港はニューヨークの横の州にあるニュージャージーにある「ニューアーク空港」で彼の家はマンハッタンから1時間ほど離れたコネチカット州にあった。
そんなことを知らない僕はニューヨークっぽい風景がどこにあるのかワクワクしながら窓の外を見てるとマクドナルドが目に入った。「そういえばアメリカのマクドナルドはアメリカサイズなんだよね?食べてみたい!」こんな可愛い発言を18歳の僕は無邪気に言ってた時代もあった。初めてアメリカのマクドナルドでMサイズのドリンクを頼んだ時にXLくらいのサイズのドリンクカップが出てきたときは「おー!これぞアメリカか!」って彼を見て笑ったのを覚えてる。車内で飲みきれないドリンクカップを抱えて、ダンスの話をしながら家に向かっていると大きな家の前で車が止まった。田舎だからの大きさだけど、それでもデカい。「庭には野生の「鹿」や「リス」が毎朝遊びにきて、のどかに過ごしてるのよ」と奥から彼のおばあちゃんが出てきた。話を聞くと彼のお母さんはニューヨークで仕事をしていて、いまは忙しいからおばあちゃんの家にきたらしい。
その後もジュリアンに翻訳をしてもらいながら、軽い挨拶をして、ハグをされた。その後もアメリカらしい一口じゃ食べれない巨大なピザを食べたり、おばあちゃんの昔話を聞いたり、出会って間もない僕に本当に優しいおばあちゃんだった。けど、唯一イライラしたのが友達は引きこもりだった。せっかく僕が日本からきてるというのにずっとゲームをしてる。しかも1週間くらいずっと家から出ない生活が続いていた。
「ニューヨークって想像以上に何もないな」って彼に言うと「多分Keiが想像してるニューヨークはココじゃなくて、マンハッタンだよ。行ってみる?」と意味のわからない話を急にし始めた。「ちょっと待て、ここはどこなんだ」会話の内容を理解するのに時間がかってると彼は着替えて、どこかに行く準備をし始めた。「ちょ、Keiも早く準備して」と言われたけど、どこに行くかもわからないまま近くの駅まで歩いて、そこから目の前に到着した電車に乗って、どこかに向かった。
この電車はニューヨーク名物の地下鉄ではなく、ニューヨークで一番大きな駅「グランドセントラル駅」に繋がる他州とマンハッタンを繋ぐ電車で、だいたい1時間くらい乗っていた。当時の僕はどこに連れていかれてるわからないけど、ただただ最終駅に到着するのを待っていた。そして、電車を降りて人の流れに合わせて出口に向かって歩いていると目の前がひらけた。
「Kei!これが君が見たかったニューヨークだよ!」
(次の記事:波乱万丈な僕のチルい若い頃の話 – グラフィティーとの出会い)
※この記事は2021/01/22に公開した情報になります。
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