自分がタイ嫁と出会って、すぐに『田舎からヤングシスターが来る』って言われて、数日後にタイの田舎っぽいタイ語しか話せない女の子がゴーゴーバーでお金を稼ぐ為にパタヤにやってきた。
※ヤングシスターってのは本当の姉妹ではなく、親友や古い友人のことをタイでは言うらしい
自分が住んでるパタヤは都会ではないけど、田舎でもない。そんな中途半端なチルい街でも田舎から来たタイ人からすると都会にみえる。彼女が田舎からパタヤに来てからは時間がなくて会うこともなかったし、日本に一時帰国してたのもあって2ヶ月くらい会わなかったんだけど、この前彼女に会ったら化粧が濃くなって、英語も少し話せていたから一瞬誰かわからなかった。パタヤの夜は1ヶ月もあれば田舎者を別人に見える”夜の蝶”に仕上げる力がある不思議な街だなと再確認した日だった。
そんな彼女がまさかの出会って1週間のお客として出会った韓国人と結婚すると言い始めた。
パタヤの夜を長く見てると外国人とゴーゴーガールが結婚するのは“パタヤドリーム”と言われている。そりゃ生活水準が元々低いからこそゴーゴーバーで金を稼ぎにきたタイ人からすると小金持ちの海外からの旅行者と結婚は夢だよね。だけど、旅行者との出会いから結婚して移住するまでは結構ハードルが高い。韓国の結婚ビザのことはよくわからないけど、少なからずアメリカとタイの2つの国の結婚ビザを経験したものとしては想像の10倍はキツいイメージ。だけど、そんな壁すら見えななるのが「恋」の怖いところ。
雑談はそれくらいにして、昨日は韓国人のパートナーが明日韓国に戻ると言うので4人で少しパタヤ観光をすることにした。久しぶりに1日外でぶらぶらしたから思い出に残そうと思う。
AM9:04
彼らに会う前に家の近くの美味しいヌードル屋で朝ごはん。タイでは朝にマーケット行ったり、屋台でご飯食べるのは普通。日本やニューヨークでは一般的じゃないからこそ、タイのこういう文化は結構好き。
衛生面はそれほど良くないのが少し嫌だけど、このヌードルは衛生面とか忘れさせるくらい旨い。しかも、これで60B(約240円)は安い。本当はもう一杯食べたかったけど、流石に最終日に遅刻するのはまずいのでサクッと食べて、彼らを迎えに1時間ほど車で移動。
AM10:35
韓国人の彼が泊まってるホテルに到着すると外でイチャイチャしてる2人を発見。ヤングシスター幸せそうだ。
車内で色々な話を聞いた。ヤングシスターと出会った時は日本人の女性みたいに一歩下がるようなイメージがあったけど、今はタイ人女性らしい男性よりも強い女性って雰囲気で韓国人の彼が自分と同じで掃除も洗濯も全部やってる状態らしい。うちも出会った時は「掃除もマッサージも毎日私がやる!」とタイ嫁は言ってたけど、現実は自分が掃除も洗濯もやってる話をして、「タイ人ってこんなもんだよ」って笑いながら言ったら「覚悟してます」と笑って答えてた。多分まだ現実を見てないと思うが。
拙い英語が飛び交う車内での会話を1時間ほど楽しんだらタイ嫁が「そろそろ着くよ!」とワクワクしてる感じが伝わる感じで話してきた。どこに行くんだろう?と周りをキョロキョロしてると見たことある景色。車を降りて、「多分あそこだろうな」って考えながら建物に向かう4人。
AM11:43
やっぱり「エレファントヴィレッジ」だったか。エレファントヴィレッジは労働に従事していた象が安らげる場所として1973年にオープンした”象たちのライフスタイル”を垣間見ることができる施設。
エレファントヴィレッジには過去に2回行ったことがあって、どっちも友達とチラッと遊びに来ただけで象に乗ったことはなかったけど、今回はタイに自分が戻ってからデートらしいデートをしてなかったから象に乗ろうってことに。入場料は300B(約1200円)だけど、象に乗る場合は900B(約3600円)かかる。タイ嫁はタイ人なので無料。タイでは外国人だけが観光名所のチケット代を払わないといけないケースは多々ある。This is タイカルチャー。
2回来たことがある自分としては何が楽しいのか疑問だったけど、今回は象に乗るのが目的らしい。自分も初めて象に乗ったけど、乗る瞬間はワクワクしてたけど、乗り心地は最高に悪かった。だけど、昔の人はこれに乗って、移動してた人もいたんだろうなって思うと相当お尻が痛かったのでは?意味わからない想像しながら乗る自分と横で笑顔で叫びまくるタイ嫁。
そういえば出会ったばかりの頃は色々な場所に2人で行ってた時もこんな楽しそうな顔してたな。だけどタイで新規事業を始めてからは毎日仕事やビザの話ばかりでデートらしいデートをしてなかったから久しぶりに楽しそうなタイ嫁を見て少しホッする。
あ、象に乗った感想言うの忘れてた。いやー、象は賢い。あんな巨体なのに人間の命令をちゃんと理解して、動くのはすごい。たった15分程度の体験だったけど600B(約2400円)余分に払う価値は一回あるとは思う。あともう一度言うけど乗り心地は最悪だった。
その後は羊や鹿、馬、牛などの動物が飼育されてたので餌を片手に餌付けをして動物たちと仲良くしたいタイ嫁。タイ人あるあるなのか遠くにいる動物を指を鳴らして、呼ぶんだけど全然来ないのに諦めずに鳴らし続ける。タイ嫁に何度も「無駄だよ」と言っても全く聞かずに続けて、数分やって「あいつはダメだ」と暴言を吐いて、餌を網に刺して退散するあたりに優しさを感じる。
PM0:54
1時間ほど動物と戯れて、疲れて、一服してたらイグアナがいた。爪が想像以上に鋭そうで近寄れなかったけど5分くらいはジーッとこっちを見てた。イグアナにジーッと見られながらタバコを吸う経験なんてないから貴重な経験をしたなって得した気分になったわ。
タバコを吸い終わってスマホを見るとタイ嫁から「チケットについてたクーポンに園内のカフェで1杯飲める無料クーポン券がついてるからカフェにいるね」と連絡があった。確かに900B(約3600円)もするんだからドリンク1杯くらいついてないと割に合わないよなと思いながらカフェの方へ歩く。
このカフェの売りは川沿いにあって、象がその川を通るらしく、餌のバナナを席からあげることができることらしい。
これで100B(約400円)と意外と高い。バナナなんて嫁の実家にも育ってるくらいだから、それを持ってこれば無料だし、絶対持ち込めそうだけどアミューズメントパークでそれは御法度。ちゃんと買いました。
一杯無料チケットで自分はレモネードを頼みましたが、これがうまい。タイはコーラーが美味しいと言われるけど、個人的にはレモネードの方が美味しい。あの暑い中で少し甘みと酸っぱさがあるレモネードは喉に沁みる。このカフェのレモネードも美味しかったけど混ぜずに飲んじゃったから最後は炭酸水だったのだけが誤算だったな。
そのあとは謎のショーが始まったので眺めてたけど、観客がほとんどいない中でライオンキングっぽいショーが始まったと思ったら、最後は本当にライオンキングのワンシーンと全く同じシーンでショーが終わった。あれはなんだったんだろうか?今考えても意味がわからない。
出口に向かう時にヤングシスター夫婦を見るとまだ出会って1週間ってのもあって、とても楽しそう。これからどうするかタイ嫁に聞いたら「今日は彼がヤングシスターをペイバーするらしいからご飯も一緒に食べよう」って話になった。
ペイバーとはお金をゴーゴーバー側に払って、女の子を外へ連れ出すこと
「純愛なんだなー」と感心してたら彼が韓国に帰ってからも韓国に移住するまではゴーゴーバーで働くらしい。そんな話を聞いて彼の心境を考えると本気で奥さんにするなら移住までゴーゴーの仕事させるのキツくない?と思ったけどヤングシスターもまだ確実に彼と結婚するとは思ってないらしい。パタヤの夜は出会いも多いだけにリップサービスだけの男性も多いから本気で恋するにはハードルが高いのもあって、この時点でも何人か別の彼氏もキープしていた。だけど、韓国人の彼が大好きと。すごい複雑な気分。
エレファントヴィレッジに2時間ちょっと滞在して、夜ご飯を求めて車で移動したんだけど、まさかの場所に。
PM2:32
エレファントヴィレッジから5分ほど車で移動した場所に犬と猫と鳥と戯れる場所があるみたいでご飯の前にそこに行くと。「どんだけ動物好きなんだよ」って思いながらも言われるがまま車は目的地に到着。
1時間200B(約800円)で、ただただ犬と猫と鳥と戯れる店。犬がたくさんいると言うからどれくらいいるのかと覗くとハアハア言いながらガラス越しに向かってくるデカい犬。タイ嫁が餌を持ってるのが匂いでわかったのか引くほど集まってきた。ヤングシスターを見ると同じように犬に襲われていて、自分と韓国人の彼はガラス越しに彼女たちを眺めていた。タイ女子は強いけど、比べて日本男子と韓国男子はダメですな。ほんとすんません。
そんなタイ女子たちもデカい犬の力が強くて、ガンガン襲われてた。最後の方とか犬の連携がすごくて餌奪われてたし。自分も途中で鳥コーナーに逃げて餌付けをしようとしたら、オウムに写真が撮る余裕がなかったほどがっつり襲われた。完全に餌じゃなくて、自分を狙ってた。トラウマなるレベルで怖かったので2度とオウムには近づかないとこうと心に決めた。
PM4:28
外も暗くなってきて、明日韓国に戻ることを実感してきたのか泣き出すヤングシスター。英語も拙いから何を言いたいかはわからなかったけど、とにかく寂しいのと好きと何度でも言ってほしいと言うのは伝わった。タイ人も愛がストレートだから良いよね。日本の文化とは全く違って、個人的には好き。愛をはっきり伝える大切さは海外生活で学んだ大切なことだなって思う。
そして、外国人にはあまり知られていないローカルなビーチで有名な「バンセーン」って街にある日本料理と韓国料理が美味しいマーケットがあると言うことで1時間かけて向かった。バンセーンはパタヤとどことなく似てるけど、観光客はほとんどいなくて、タイ人ばかりってイメージ。あと韓国料理はほとんどなく、逆に日本食という名の日本食じゃない店がたくさん並んでた。タイ嫁もヤングシスターも日本料理も韓国料理も得意じゃないのに相手を考えて動くのは嬉しいね。
結局2人とも何も食べず、自分はイカ焼き、韓国人の彼はラーメンを食べてた。これならわざわざバンセーンまで来る必要なかったと思いながら食べ歩きしながらマーケットをぶらぶら。
出店してる店は微妙だったけど、ディスプレーで飾られてる日本製のヴィンテージのポスターや小道具はイケてるのが多かった。このアキラとか良くない?
PM7:31
なんか〆のマーケットが微妙だったのでビリヤードをして解散することになったんだけど、この流れは確実に自分とタイ嫁のガチバトルで終わる予想しかしてなかったし、案の定そうなった。完全に彼らを置き去りにして、ビリヤードに真剣に打ち込むタイ嫁と自分。だけど、そんな2人を完全無視して最後は楽しそうに話してたし、タイ嫁がタイ語でヤングシスターの言いたいことを彼に伝えて、喜んでたので結果よければ全て良しってことで。
ちなみにビリヤードは引き分けだったんだけど、1回でも対嫁が勝てばタイ嫁が勝った感じで終わる。まぁ勝った時の喜び方は100万円拾ったのか?と勘違いするほど喜ぶので怒る気もしないけどね。
タイ嫁の知り合いのゴーゴーガールが出会って1週間の韓国人のお客様と結婚決めて、来週に韓国移住だって。嬉しさもあるが、心配もある。海外に1度も出たことない子が言語も文化も違う、周りも外国人ばかりの場所で生きるストレスと孤独は半端ない。旅好きが勢いで国際結婚するのとはわけが違うからな
— Kei | 小さなニューヨーカー (@smallnycer) May 19, 2023
PM9:52
彼らと別れた後に今後の彼らの展開をタイ嫁に聞いたら28日から10日間ヤングシスターが韓国にお試しで行ってみて、そこで今後どうするか決めるらしい。本気度でいうとまだ50%だと。まぁ移住は人によっては絶対無理っていう人もいるくらいだから一回住んでみないと愛だけでは乗り越えられない場合もあるからね。それもあってさっきも書いたけどキープしてる彼氏が何人かいる状態らしい。
自分はニューヨークに10年移住して、タイに移住した経験から”海外移住”は必ずと言っていいほど「言葉」と「文化」の壁にはぶち当たる。そして、移住する側は孤独になりやすい。その孤独を乗り越える愛があればなんとかなるけど、どうサポートしてくれるかはその時にならないとわからない。特に出会ったばかりの2人は錯覚の恋を過ごしがちだから怖い。
その壁はヤングシスターも絶対ぶち当たるからこそ、頑張って乗り越えてほしい。移住する側は楽しいことばかりではなく、辛いこともちゃんと表裏一体でついてくるのが自然です。
まぁそんなこと言っても出会って1週間のラブラブカップルの耳には全く届かないのはタイ嫁も自分もわかってる。今はラブラブを楽しむのが正しい選択肢。どうせもう少し一緒にいればどんどん出会ったばかりのドキドキはなくなる。ドキドキが楽しめる間にドキドキを楽しんだもん勝ちだ。
まだ確定じゃないけどヤングシスターは果たしてパタヤドリームを掴めるのか?それとも夜の蝶に舞い戻るのか?
※この記事は2023/05/21に公開した情報になります。
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