前回の「出会って1週間のニューヨーカーと結婚した話 – アメリカ永住権取得までの険しい道のり」の記事の続きです。
僕は元々ブレイクダンスをやっていたことがきっかけで、ヒップホップカルチャーが好きになったんだけど、もちろんストリート系の服やスニーカーへの愛も強かった。特にスニーカーに詳しいとかではなく、スニーカー好きのニューヨーカーが履いてる靴の履きこなし方が好きだったし、日本でもスニーカーブームがちょうど来たタイミングってのもあってビジネスとしても参加しやすかった。
この時にめちゃくちゃ考えたのが「売る方法」と「仕入れ方法」の2つだった。
売る方法は結構シンプルなんだけど、発明的なアイディアで、その方法は今では当たり前になってる「Twitter」で集客と販売までやる戦略だった。しかも、信用をうまく売れば仕入れ金を先にもらって、買い付けに行く「ゼロコスト買い付け」が出来るも大きかった。この戦略はうまくいって、1年で1万人を超えるフォロワーを集めることが出来た。次に仕入れなんだけど、これがカオスだった。
仕入れ方法はスタッフの友達を作るのが一番簡単だったけど、英語が話せない自分は友達作りにかなり苦戦した。
日本にも数年前に店舗がオープンしたニューヨークを代表するストリートセレクトショップ「Kith」が当時ニューヨークで爆発的な人気でほぼ毎日Kithにはウインドウショッピングで訪れていた。その時にイケてる黒人のスタッフが「君どこかで見たことあるな」って声をかけてくれた。これが今でも仲良しのニューヨークで一番イケてる推しの「Jr」だった。彼とは結婚した直後に彼女とデートで訪れたセレクトショップで接客を受けたことがあって、その時に話が盛り上がって写真を撮っていたのを忘れてた。この時は前の店を辞めて、Kithに就職したらしく、彼の持ち前の明るさでスタッフの中でも一二を争う顧客数を持っていたとか。
Jrとは仕事以外でも遊ぶことが増えて、一緒にチルってクラブに行ったり、彼の友達の家に招待してくれたりとお客さんを超えた関係で遊んでくれた。
もちろん仲良くなれば裏抜きの話が出てくる。こっちではよくあるあるなんだけど、スタッフとバイヤーが仲良くなると発売前に商品を抜いてくれて、買うことができるようになる。彼のおかげで色々な商品を抜くことが出来たし、彼経由で別のスタッフとも仲良くなって、仕入れ自体は楽になったし、ニューヨークはレアスニーカーが発売される場所が多いこともあって深夜からオープンまで並ぶこともしょっちゅうだった。もちろん売り上げもガッツリ出て、これは美味しい仕事だと思ったけど、買い付けに行く時間や深夜からの並びなどに時間を取られてしまい、奥さんとの家族の時間を作ることができず2人の距離は遠くなる一方だった。
そして、ある日突然、離婚が決まって、ホームレスになることになる。
(次の記事:出会って1週間のニューヨーカーと結婚した話 – 突然の離婚でニューヨークでホームレス決定)
※この記事は2021/02/02に公開した情報になります。
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