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日記

ニューヨークに行った人だけがわかる「魅力」ってあるよね

2021年12月09日(木)

「ちょっと泣きそうです…」

僕の横に立っていた女性の目元から涙が溢れそうになっていた。

彼女とはインスタで数週間前に連絡が来て、コロナ禍の中でニューヨークに行くことを決めたのはいいけど、色々不安なことがあったみたいで相談を色々聞いていた。確かにコロナ禍になって、色々変わった。特にPCR検査に関しては国によっては記入するフォームが違うことから面倒なことになったって話もニュースで読んだ覚えがある。そんな過酷な中、英語も出来ないのに初めてニューヨークに行くと決意したらしい。

だけど、僕は良い決意だと思う。「今を生きること」って当たり前に大事なんことなんだけど、どこかで未来は当たり前にあるって思ってるから今を大事にしないのが人間。だからこそ、彼女の行動は良い選択だったと僕は思う。

それにちょうど一緒に仕事をしてる後輩がニューヨークに到着する便と同じ日に到着するらしく、2時間くらい空港で待たないといけなかったけど、英語もできない中でホテルまで移動はキツいと思ったから後輩と待つことにした。

後輩と話し込んでると遠くから手を振る女性がいた。お互い初対面だけど人見知りゼロだったこともあって、昔から友達かのように話しながら、電車でタイムズスクエアのホテルまで見送ることにした。後輩は初対面感ゼロの僕を見て驚いていたけど、もう10年以上知らない人とニューヨークで会い続けてる僕からすると誰が来ても緊張感は全くない。

電車の中で日本からニューヨークに到着するまでの話を聞いたけど、よくコロナ禍で初めてニューヨークに来たものだなって改めて感心した。しかも、滞在期間はたった4日。話を聞きながら、なんか良い思い出を作ってあげられないか色々頭の中で考えていた。

「そうだ、タイムズスクエアに連れて行こう」

その提案を聞いて、彼女は喜んでた。本当はタイムズスクエアを抜けた「ポーソオーソリティー駅」で降りるはずだったんだけど、タイムズスクエアまで歩いていける「ブライアントパーク駅」で降りて、ホテルまで歩いて送ることにした。ブライアントパークのあるミッドタウンはグランドセントラル駅や5番街、ロックフェラーセンター、ブライアントパーク、エンパイアステートビルディングといった観光名所が徒歩圏内にあるホットスポット。

空港から地下鉄で1時間ほど揺られて、ブライアントパークに到着した。流石に疲れていたのか彼女も地下鉄から外に出るまではロングフライトで疲れた足を頑張って前に出しながら歩いていたけど、外に出た瞬間、疲れてた顔色は一気に消えていた。

「ちょっと泣きそうです…」

20代後半になって涙腺が弱くなったらしく、綺麗な景色を見ると泣きはしないけど泣きそうになるらしい。

急のことで僕はどうしていいかわからず作り笑いをしていたけど、後輩はスマホ片手に写真を撮るのに必死だった。忘れていた、こいつもニューヨークは2年ぶりだった。そんな後輩はほっといて、疲れてるだろうからサッとタイムズスクエアの方に行こうと彼女に声をかけて、タイムズスクエアの方に向かって歩いた。

僕も年々涙脆くなってるから彼女の気持ちはわかるけど、それは感情が素直に出せてる証拠だから良いことだと僕は思う。大人になると感情に素直じゃなくなるからこそ、泣きたい時は泣く、笑いたい時は笑うことが大切だし、感情に素直だからこそ大人になっても色々吸収できることがある。だから、彼女にも「泣きたいなら泣いちゃえよ」って笑いながら人が行き交うタイムズスクエアの方に向かって歩いて行った。

そんな話をしてたら急に目の前にタイムズスクエアの眩しい電光掲示板が彼女の前に現れた。タイムズスクエアはブロードウェイ沿いの数ブロックの狭い区間に数え切れない量の電光掲示板が24時間ずっと流れている。彼女を見るとさっきよりもはっきり涙目になって、言葉を失っていた。数秒したら思い出したかのように「友達にニューヨークどうだった?って聞かれても、行かないとわからないよとしか言えないですね」と涙目を隠すようにニコッと笑いながら僕に話しかけた。まだ30分くらいしかニューヨークを満喫してないけど、そう言っちゃう気持ちはよくわかる。

ニューヨークは来た人にしかわからない”エネルギー”がある。特にタイムズスクエアはエネルギー値がかなり高い。

僕も初めてタイムズスクエアを見た時は「言葉を失うってこういうことなのか…」と思ったの同時に、たった1回の人生だからこそもっと色々挑戦したいなと初めて強く思ったのを今でも覚えてる。ニューヨークには色々な夢を持った人が世界中から集まってくるし、どこか平和ボケしてる日本人に「生きるとは何か?」を思い出させてくれる場所でもある。僕も世界中飛び回ってるけど、ニューヨークほどエネルギー値が高い場所は見たことがない。

そんな彼女を見てたら嬉しくなって、タイムズスクエアを15分くらい歩きがなら色々小ネタを紹介して、甘いものが好きって言ってたから帰りにニューヨークチーズケーキが有名なニューヨークの老舗レストラン「ジュニアズ(Junior’s)」でチーズケーキを彼女と後輩の分を買ってから置いてきぼりにしていた後輩を近くに呼んで、ホテルまで送って、チェックインを手伝ってバイバイした。

帰りの電車で後輩が「やっぱりニューヨークいいすねー!フライトで正直疲れてたんですが、一気に疲れが飛びました!だけど、置いてくのはやめてくださいね」って笑いながら彼女と同じような話してきた。もう何回目だろうか?こんな会話を耳にしたのは。13時間以上のロングフライトをして疲れ切ってるはずなのに、みんなニューヨークの街並みを見ると口を揃えてニューヨークの魅力にやられている。だけど、何がすごいのか?と聞かれてもニューヨークに来ないと「ニューヨークの魅力」はわからないし、僕もうまく説明できない。

だけど、この説明できない魅力こそ、ニューヨークなんだと再確認した夜だった。


※この記事は2021/12/09に公開した情報になります。
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この記事を書いたのは...

【街路ch出演】ニューヨーカーと出会って1週間で結婚し、ニューヨークに移住。しかし、2年で離婚し、その後8年間ニューヨークで波乱万丈な生活を一人で生き抜きました。10年後、パタヤでゴーゴー嬢と結婚し、タイに移住。かつては有機大麻農家として働いていましたが、現在は大麻盆栽家に転職しています。大麻盆栽「Wabi sabi」では、環境に優しい有機肥料やミミズの土を使用し、廃材や苔を活用して、持続可能な未来を目指しています。自然との共生を体現し、大麻盆栽を通じて新しい視点を提供しています。詳しい自己紹介はこちらから。

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