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日記

少し早いニューヨークのクリスマスを母と一緒にLineで過ごす

2021年11月22日(月)


駆け足で地下鉄の改札を走り抜けた。

外に出ると雨上がりなこともあって、冷えた風がビルとビルの隙間から勢いよく顔を目掛けて吹き付けてきた。寒い。本当に一気に寒くなった。ハロウィンが終わり、街中はクリスマスムードになっていた。そういえばロックフェラーセンターにも毎年恒例のもみの木が数日前に設置されたってニュースをtwitterで見た。

パーカーに突っ込んでいた手を出して、Lineを立ち上げて、母さんに一言「1時間後、電話でれる?」と連絡を入れた。母さんの返信はいつも速い。ホリエモンが成功者は30秒以内に返せる連絡は全て返すってインタビューで言ってたけど、それを実践してるのか?ってくらいのスピードで返ってくる。

それに「大丈夫だよ」と5文字の言葉もまた母さんらしい。そんなことを思いながら僕はパーカーのポケットにスマホと手を突っ込んで、小走りで美容院に向かった。もう気がつけば2ヶ月も髪を切ってなかった。いや、もう2ヶ月も経ったのかって現実に驚いた。

いつもの美容院で、いつも切ってもらう友達にいつも通り切ってもらう。そういえば一流の営業マンは美容院も毎回飛び込みで変えるって本で読んだことがある。確かに何も変わらない経験に時間を使うのは違うのかもしれないって思いながらも、安心感をお求めると”いつもの”になってしまう。人間とは面白い生き物だ。

髪を切り終わって店を出ると1時間前よりもさらに冷え込んでいた。とりあえずLineを立ち上げて電話をした。今寒くて手を出したくないこと、まだロックフェラーセンターまで10分は歩くからそれでまでは電話がいいこと、メンターの経営者の先輩に怒られて凹んだこと色々話した。そんな話も母さんはいつものように「はいはい」と笑いながら話してた。

目の前には昔から変わらないニューヨークの光溢れる夜の街が広がっていて、パーカーに手を入れたまま、その光景を一生懸命言葉で伝えようとした。

側から見たらパーカーに手を突っ込みながら、フードを被って笑いながら歩いてるキチガイに見えるかもしれないけど、実際は大好きなニューヨークの街並みを見ながら、一番ニューヨークの魅力を伝えたい母さんと楽しく話してる幸せな人間。この小さな幸せを噛み締められることが本当に幸せだ。

ロックフェラーセンターがある5番街はとにかく明るい。元アメリカ大統領のトランプが所有するトランプタワーや高級ブランドが立ち並ぶ道沿いにロックフェラーセンターはある。冬になると国旗に囲まれた中でスケートが楽しめる「これぞ映画の世界!」と言ってしまうようなスケートリンクが登場する。このスケートリンクはメディアでもよく取り上げられる場所で、このスケートリンク上でプロポーズをするのをサポートするサービスまで公式であるくらい。

反対側からだとロックフェラーセンター全体を見上げることが出来る。この冬の時期のロックフェラーセンターは本当に綺麗だ。ボーと見上げてたら耳元から「着いたの!?」と母さんの声が聞こえた。そうだ、テレビ電話をするんだった。

悴む手を出して、ビデオに切り替えて、ロックフェラーセンターの方にカメラを向けた。最近買ったPixel6は本当に画質が良くて、テレビ電話でも前持っていたiPhone Xとは比べ物にならない綺麗さだった。

「あー、懐かしいね。8年前にあなたとココで写真撮ったね。あの玄関に飾ってあるやつよ」

そういえば玄関にはニューヨークに行った時の20枚くらいの写真が置いてあったな。昔からフランスが大好きでニューヨークなんて興味がなかった人が僕がニューヨークに移住してからはニューヨークのものが増えている。本人にそれを言うと「何言ってんの!フランスの方が好きに決まってるでしょ!」と言うけど、実際の行動を見ると今はニューヨークなんだろうなって思うし、多分そうなんだろう。

日本に住む友達に僕と母さんの話をすると不思議がられる。日本ではマザコンと言われるのかもしれない。だけど、国が違うところにいる母親を持つ人にしかわからない感覚かもしれないけど、あと何回会えるんだろうか?とリアルに考えてしまう。一緒に住んでる人は毎日一緒にいるから麻痺してるかもしれないけど、人間はいつか死ぬ。いつも明るくおはようと言ってくれる母親が明日死ぬかもしれない。そう想うと毎日の時間を大切にしようと思うでしょ?

海外に住んでる僕たちは常にその状態にいる。次一時帰国する間に亡くなったらもう2度とハグはできない。次の一時帰国はいつ出来るのか?色々な不安の中で毎回日本からニューヨークに戻っている。

そんな話を母さんにすると「何言ってんの!昔は国際電話なんて高くて長時間話せないし、映像を見ることもできなかったんだよ?今の時代は無料でこんな素敵な映像が見れるんだからすごい時代じゃない」と僕に言った。いやいや、あなた、まだiPhoneの機能5%も使えてないですから…とツッコミを入れたかったけど抑えた。確かにその通りだね、すごい便利な時代だよ。こんなたわいもない会話が幸せって毎回感じる。良い時代になりましたね。

(関連:少し早いニューヨークのクリスマスを母と一緒にLineで過ごす/Voicy


※この記事は2021/11/22に公開した情報になります。
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この記事を書いたのは...

【街路ch出演】ニューヨーカーと出会って1週間で結婚し、ニューヨークに移住。しかし、2年で離婚し、その後8年間ニューヨークで波乱万丈な生活を一人で生き抜きました。10年後、パタヤでゴーゴー嬢と結婚し、タイに移住。かつては有機大麻農家として働いていましたが、現在は大麻盆栽家に転職しています。大麻盆栽「Wabi sabi」では、環境に優しい有機肥料やミミズの土を使用し、廃材や苔を活用して、持続可能な未来を目指しています。自然との共生を体現し、大麻盆栽を通じて新しい視点を提供しています。詳しい自己紹介はこちらから。

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