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人と違う道を選んでみたら"チルい人生"だった


タイ

日記

140kmとタイの刑務所と想像を超える疲弊

2023年10月07日(土)

朝6時頃にタイ嫁が珍しく早起きして、眠そうな目を擦りながら、どこかに行くと言い始めた。朝の農作業が終わったばかりなのもあって、疲れ切ってたから適当に頷いてたら「Okay!Let’s go」と。理解できずにボーと立ってたら「シャワーに入れ」と目線で言われ、ユニクロの無地の服とボクサーパンツといつも履く楽なハーフパンツをベットの上に置かれ、タイ嫁はガンジャ(猫)に餌をあげにリビングに消えていった。

こんな朝早くからどこかに行くとか珍しいと思いながら、あの慌ててる感じからマーケットやセブンイイレブンじゃないことだけはわかった。部屋の中は寒いので入念にタオルで水滴を拭いて、ベットの上に置いてある服に着替えた。準備をしてたらタイ嫁が部屋に来たので「どこに行くのか?」と聞いたら「Jail(刑務所),Jail(刑務所)」と言い始めた。

…うん?刑務所?

なぜ刑務所に行くのか聞いたら昔からお世話をしてくれてる先輩が刑務所から今朝突如釈放されることになったらしく、知り合い経由で出所祝いに呼ばれたと。それに自分も行くことになったので、それをそのままツイートしたら結構伸びてしまった。

はじめに言うけど僕が刑務所に収容されたわけではありません。

だけど、かなり興味深い経験だったので記事に残すことにした。

140kmで一般道を走り抜けるタイ人に少しチビる

タイの刑務所に行くことなんて滅多にないからテンション上がってたらタイ嫁がbolt(配車サービス)で呼んだ車が家の前に到着した。珍しくタイ嫁の車は使わないらしい。車はタイ嫁の実家のある方向に向かって走り始め、「こんな近くに刑務所があんだ?」と思ってたら、生ライブとかやるバーの駐車場で車が止まった。タバコを吸うために外に降りて周りを見るとヤンチャそうなタイ人たちがいっぱい。パッと見でヤンチャそうなのが伝わる。

あ、忘れていた、タイ嫁の地元って治安悪いんだった。

だからと言って全員が悪い人なんてことはなくて、ライターを借りにきたタトゥーがっつりのイカツイお兄ちゃんも返す時に「サワディーカップ(ありがとうね)」って笑顔で言ってたし、邪魔にならない場所で朝から楽しそうにお酒を飲みながら笑い話をしてるイカツイお兄ちゃんたちもいたし、駐車場で爆音を鳴らすなどの迷惑行為も全くなかった。

「治安や見た目が悪いだけで、みんな平和主義者だな」って思ったけど、その気持ちは車が走り出してすぐ消えた。

刑務所までは知り合いの車で行くということだったので軽く彼に会釈をして、車に乗り込んで、刑務所に向かい始めたんだけど、自分たちの前を走るイカツイお兄ちゃんたちの車のスピードがガチでヤバい。一般道なのにスピードメーターは100km、120km、140kmとどんどん上がっていった。しかも、そんな車が5台以上連なって走っていた。

まじで少しちびった。高速じゃなくて、一般道で140kmで移動ってカオスすぎる。事故を経験してる身としては意味がわからないスピードだったのもあって「140kmなんて嘘だ。マジで簡単に事故るって…」とは口にはしなかったけど全く生きた感じがしなかった。さらにびっくりしたのが後ろから追っかけてきた車がISUZUのピックアップカーが黒いスモッグばら撒きながら僕たちの車を抜き去った。

「もう少しゆっくり走れないの?」と横に座るタイ嫁に聞くと今回集合をかけた先頭を走ってる人がヤクザみたいなタイ人らしく、全員が彼に合わせて動かないといけないらしい。もうカーレース状態。

そんな緊張感ある状態が30分くらい続いて、刑務所っぽい建物に到着した。この頃には寝る前くらい疲れ切っていた。

タイの刑務所と5m以上ある壁

タイの刑務所に行くのは初めてでどんな場所か全くイメージつかなかったけど、施設に入る際にセキュリティーにドライバーのタイ人IDを提出して、IDの写真撮られて終わりで自分のIDの確認はもちろん持ち物検査なども特になく通過。こんな簡単に入れるものなの?

坂を登って駐車場に到着して外に出ると目の前にファームが広がってた。刑務所の中で何かの栽培をしてるのか気になって、ずっと眺めてる姿は農家だなって自分で思った。大麻事業やる前は全然農業なんて興味なかったのに人間って面白い。
(関連記事:世界を救うためにタイで有機大麻農業をやる

まだ先輩が出てくるまで時間があったみたいで外の休憩スペースで休んでたんだけど、時間潰しで今回出てくる友達との関係について色々聞いてたら久しぶりに会える嬉しさから泣いてた。ただの先輩かと思ったけど聞いたらタイ嫁が本当に小さい頃から仲良くしてくれた先輩らしい。

先輩が外に出る時間が近づいてきたので建物のある方に歩いていくと護送車を発見。「タイの護送車ってこんな感じなんだな〜」って独り言を話しながら珍しさから撮影してたらタイ嫁に「ここで撮影はやめた方がいい」と言われたのでやめた。確かにさっきのヤクザタイ人みたいな人が周りにたくさんいたし、数人のスタッフにジーッと見られてたからやめるが吉。

タイ嫁の知り合いが建物の入り口前にある公園のベンチに座ってたのでそこで待つことにしたんだけど、公園内にあるオブジェのクオリティーはタイクオリティーでテンション上がった。

このパンダとかヤル気のない感じが伝わって好き。他のオブジェも現代アート要素があって個人的には良い展示だったと少し満足。

公園をクルッと回って、やることもなかったのでタイ嫁に「なんで急に今朝出てくることが決まったの?」と聞いたら前の日の夜に警察の上の人に賄賂を払ったらしく次の日に出られるようになったらしい。値段は聞いてないけど結構デカい金額らしい。お金さえ警察の上の人間に払えばすぐに出られるのがタイ。実際にこの刑務所には10000人以上収監されてるらしいけど、お金ある人はサクッと払って重罪でも1年から3年で出られるらしい。タイはお金があればなんとかなる&警察がヤクザってのは昔から有名だから驚きはしなかったけど刑務所でも同じということに驚いた。

昼過ぎに先輩が建物から出てきて、「おー、出てきたか!」と言わんばかりの笑顔で彼を迎えいれるタイ人たち。日本のヤクザが出てくる際は舎弟が大きい声で「お疲れ様です!」と列を作って、背筋を伸ばして挨拶をするイメージがあったけど、タイは同じヤクザでもまた雰囲気が違うから興味深い。

「やっぱりヤクザっぽく見えるけど優しそうな雰囲気だ」って安心をしてたんだけど、帰りの車で出所した彼と一緒の車に乗った際にドライバーがまた140km前後スピードを一般道で出してたら「もっと出しちゃえー」って笑いながら言ってる先輩を見て「先輩もやっぱりネジ外れてるのか」と再確認できた。帰りも全く安全運転じゃない感じで家まで送ってもらい、時計を見たら14時を回ろうとしてた。たった6時間くらいの用事だったのに想像を超える疲労感。タイ嫁の地元は悪い人が多いのは知ってたけど、滅多に会わない知り合いだけどこんなやばい地元のタイ人友達がタイ嫁にいるとは知らなかったし、まぁタイ住んでたら日本人ですらヤバい人たくさん出会うから別になんとも思わないけど数日収監されたくらい疲れた。

多くの日本人がタイの刑務所に行くことなんてないと思うけど、もしタイの刑務所に誰かを迎えに行く機会があるなら自分の車で行こう。


※この記事は2023/10/07に公開した情報になります。
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この記事を書いたのは...

出会って1週間のニューヨーカーと結婚、2年目で突然離婚&ホームレスから起業して生き返って、コロナで再び事業死亡から新規事業で借金返済して、新規事業調査で訪れたタイで出会って1週間のタイ人と結婚みたいな波乱万丈な人生送ってます。詳しい自己紹介はこちらから。

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