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人と違う道を選んでみたら"チルい人生"だった


日記

お金はなくても、心が豊かなら幸せになれるらしい

2023年05月31日(水)

AM11:09
今日は結婚証明書を作りに市役所に来た。日本で調べまくって準備した書類を提出して、これで夫婦になれると思うと嬉しさのあまりTwitterに投稿してしまった。

フォロワーの人たちも嬉しいコメントをたくさん残してくれて喜んでた。書類を提出してから10分後に名前が呼ばれて、部屋に通された。

「すいませんが、この資料では結婚証明書が発行できません」

時が数秒止まった。思いもよらぬ言葉だった。そんなわけがない。ちゃんと調べて準備したし、必要資料の翻訳もちゃんと業者にお願いして作ってもらった。なのに結婚証明書が発行できないだと?それって正式に結婚できないってことじゃん。

滞在日数も多くないので焦った。話を聞くとバンコクにある日本大使館で作った独身証明書しか有効でないらしく、日本の役場でもらう独身証明書を業者を通して翻訳してもその書類は使えないと。しかも、仮に今日受理しても結婚証明書の発行までに1ヶ月かかるらしい。

…え?自分が日本帰るの3週間後なんですけど。

マジで面倒だ。今回60日間有効の観光ビザで入国してるから仮に不法滞在なんて1日でもしてしまったらビザに影響することを考えても現実的に不法滞在は出来ない。となると、また観光ビザを取得してタイに戻ってくる?それは金も時間もかかるからそれだけは避けたい。どんな答えがあるかわからなかったけどとりあえず事情を話して、どうすればいいか相談したら最近はQRコードで手続きの情報の一部を処理することができるみたいで、それを利用すれば2週間で結婚証明書の手続きは終わるらしい。

お、OR申請ならビザの期間内で手続きが終わる。

そうと分かれば行動あるのみ。自分たちには時間がない。とりあえず結婚証明書を取得するために必要な独身証明書をバンコクの日本大使館に今から取りに行こうって話になって車に乗り込んだ。本当は家での栽培作業のタスクがあったけど、今日は急遽バンコク日帰り旅行に変わった。

AM11:51
車内は賑やかなタイソングが流れていたけど、自分の頭の中は実はそれどころじゃなかった。頭の中ではお金の心配をしていた。

タイに戻る前から貯金が底をついて、貧乏な状態でタイに戻った自分には予定外の出費は辛い。今は新規事業にお金がかかるから生活費は最低限に抑えて、節約生活をしてる節約夫婦がバンコクに行くとなると交通費はもちろん、大使館でもらう資料代や食費など考えたら1万円は余裕で超える。しかも、今回は翻訳代も払わないといけない。必要なお金ってわかってながらも辛い。

タイ嫁はそんな自分をちゃんと理解してるから前はサービスエリアに入ったら色々買ってたけど、今はスタバのコーヒーだけ。運転をするのはタイ嫁だから居眠り運転をしないためにコーヒーチャージはちゃんとして欲しいし、自分はセブンイレブンで10B(約40円)の炭酸水を買うからコスト面でも大きな問題ではない。

そんなお金のことを考えながら生きるのは胸が苦しと思う瞬間が最近増えた。だけど、タイ嫁は嫌な顔ひとつしないで出来る範囲でお金を使ってる。たまにバグる時もあるけど、その時は1時間くらい説得すれば超不機嫌な態度のまま落ち着く。そんなことを考えると会話も減ってしまうので気分転換にたわいもない話をしてみた。車内では小学生が使うレベルの単語で会話が盛り上がってたが、多分伝わってない。それでも愛は言葉の壁を越える時があるから興味深い。お互い理解したあった時の盛り上がりは異常だ。そんなことは言っても困ることが大半だから大変だけど、この感覚が体験できるのは良い経験だ。

この日は今まで自分のことを「Baby」と呼んでいたけど、この「Baby」がどういう意味で使われてるのか知らずに3ヶ月間自分のマネをして「Baby」と呼んでいたことがわかった。「I copy you na!!」って何回も言ってたけど、確かに最近英語のボキャブラリー増えたし、英語力が伸びてる気がする。気が付けば出会って5ヶ月か。時間が経つのは本当に早い。

PM2:34
車で2時間ちょっとドライブして、バンコクの日本大使館に到着した。こういう役所系の手続きは本当苦手。しかも、タイ嫁は朝早かったのもあって車で寝たいから1人で全部やらないといけないという状況になってしまった。やらないと前に進まないのでスタッフからもらった書類の必要項目書いて、日本でもらった独身証明書と戸籍謄本を一緒に渡して、1310B(約5240円)払って、スタッフが書類を確認する。そして、「明日には受け取れます」と言われて終わり。今日中に受け取るのは無理だと。

…うん?明日ってことはバンコクで一泊するならホテル代がかかるし、帰るならまた明日の朝イチにバンコクに行かないといけないから交通費も往復分かかる。どうするか悩んだ結果、ガンジャ(猫)いるし、家に帰らないといけないってなってパタヤに戻ることにしたけど、また明日朝イチにバンコクに書類を受け取りに行くだけで行かないといけないのは本当嫌だった。それはタイ嫁も同じ。聞き慣れたタイソングだけが車内に響いた。

PM3:21
パタヤに戻る道中でスコールが急に降ってきた。「このレベルのスコールは久しぶりに見た」って話をタイ嫁にしたら「タイの雨季ではしょっちゅうだよ」と見慣れた感じで話してたけど、免許を取ってから初の雨季ってこともあって、お母さんにテレビ電話をして浸水しかかってる車を見せて、「やばい!やばい!」と叫んでた。

そんなはしゃいでたのも束の間、気が付けば渋滞にもハマって車は全く動かない状態に。雨は強くなるばかりで、止む気配は全くない。タイ嫁と2人で顔を見合わせて「どうする?帰る?ホテル泊まる?」と相談を始めた。もう1/3くらい移動していた。どうするか悩みながら天気アプリで明日の天気を見ると雨。またこのレベルの雨だったら朝イチだし、雨の影響で事故も考えられるからそれは避けたいってことでホテルに泊まることにした。

「また出費か…」

頭の中で頭を抱えてたら、タイ嫁が大使館の近くにある700B(約2800円)のホテルを見つけた。今の時期のバンコクなら1500B以上が当たり前なのを考えるとこの金額は安い。だけど、申し訳ない気持ちもした。この金額のホテルは大体想像がつく。期待は全くしないレベルの部屋。そんな部屋にタイ嫁を泊めることはどこか心痛かった。そんな自分を横目に「全く前に進まないからホテルに到着しない!」とキレるタイ嫁。

なんかすんませんって気持ちでいっぱいだったのけど、タイ嫁見てたらちょっと和んだ。お金じゃなくて、キレてもどうしようもならない渋滞に彼女はキレてる。あと1時間はこれに付き合うのが自分に与えられた罰なんだろう。

PM5:33
2時間経った。朝から何も食べてない2人はお腹ぺこぺこだし、トイレも我慢の限界だった。「何食べたい?」と聞いたら「バンコクは高いからストリートフード食べよう」と。タイのストリートフードは当たり外れがあるけど、タイ嫁が「ホテルの道中にある店はGoogleレビューも高いし、有名人も来てる店みたいだから大丈夫そう」ってことで大渋滞にハマりながらお店に向かった。

店の中はよくあるお店と変わり映えしないけど壁一面には色々な人の写真が貼られてた。この店のタイヌードルが美味いって言ってたけど、結果だけ言うとタイヌードルは確かに美味かった。ただパタヤで毎回食べてる地元のタイヌードルの方が美味いし、タイ嫁も「あそこのタイヌードルが世界一美味い」とよく言ってるあのタイヌードルの方が自分も世界一うまいと思う。それに60B(約240円)で世界一美味いタイヌードルが食べれるなら格安だ。やっぱり現地民のオススメは有名店よりも上手くて、コスパが良い。

お腹いっぱいになって、機嫌良く車に戻るも即渋滞でタイ嫁の機嫌はすぐに悪くなってた。長時間の運転で疲れてたんだろうなって思いながらも免許を持ってない自分は横で「水飲む?」と聞くくらいしかできなかった。機嫌が悪い時は爆弾に触れないようにタイ嫁を扱うのがポイント。彼女がよく「Hungry,Angry」って言うけど、空腹の次は怒り。確かにその通りだからこそ、爆弾に触れないように話をしないといけない。

さっきも水を先に飲んでしまったことで、機嫌を損ねた。ニューヨーカーとしてレディーファーストは大事なのにその心を少し忘れてたのは反省。

PM8:08
帰りも大渋滞で40分で行ける距離が2時間近くかかった。2人とも疲れた果てたのもあってチェックインをしてる時に「少し部屋で休憩してから動こう」って話をして、部屋の鍵をもらった。「最上階(4階)の部屋か。景色いいのかな?」と話してエレベーターを探したが…エレベーターがない。

このホテルは階段で4階まで行かないといけない作りになっていた。疲労困憊な体に4階まで登れというのは過酷すぎる。どうしようもできないから2人とも足を引きずって階段を登った。途中「こんな経験も成功すれば良い思い出さ」と笑いながらタイ嫁に話しかけたらガッツリ睨まれた。部屋の前に到着して、どんな部屋か緊張が頭の中で走った。恐る恐るドアを開けると目の前に広がる狭い部屋。洗面所の中に入ると大人1人入れるスペースにシャワーがあって、目の前にトイレ。なんならトイレの方が広い。こんな部屋1人で泊まるならまだしも、奥さんと一緒に泊まる部屋ではない”ハズレ部屋”だった。

また申し訳ない気持ちになりながらベットに横になって、ポケットに入ってたタバコを加え、天井を見ながら一服した。

今日申し訳ない気持ちなる回数が多かった。最近新規事業で思わぬ出費があって、あまりお金を使わないとこうと決断した数日後に今回の思わぬ出費があったのでお金の心配がいつも以上にしてしまった。ただ、タイ嫁はお金がないことを怒ることもなければ、今はしょうがないと理解して節約をしてくれている。そんな気持ちがわかるからこそ、早くお金問題から脱出しないといけない。どうやって?なんてことを考えてたら眠りについていた。

PM9:17

1時間して目が覚めた。変な時間にお腹が空き始めてしまった。タイ嫁に「หิวข้าว(お腹すいた)」って言ったら「私も」と言って、「今日はKeiが食べたいもの食べようよ?いつも節約してるんだから今日くらいは日本食とか食べてもいいんじゃない?」と打診してきた。確かに長らく日本食は食べてない。それにバンコクは美味しいと言われる日本食がめちゃくちゃ多い。それならお言葉に甘えてってことで近くにあった日本食屋の入り口にあるメニューに目を通して美味しそうな料理は色々あったけど、タイ嫁は食べたいものがなかったし、想像以上に高かった。名前をよく見たら「叙々苑」って書いてあった。そりゃ高いわ。次に手羽先で有名な「山ちゃん」を発見したから「ここは?」と聞いてメニューを見てもやっぱりダメ。そんなやりとりがが10回くらい続いて、気がついたら1時間以上歩いていた。

「ちょっとマジで限界だわ…次見つけた店に入ろう」と本音が出てたら、タイ嫁も「今までごめんなさい。次で絶対決める」と言うことになって、道中にあったラーメン屋っぽいところに入った。

いやー、久しぶりに食べた焼きそばは美味しかった。「疲れてるんだから、ビールも飲みなよ」とビールまで頂いた。

ビールが飲める幸せを感じながら食べてたけど、これってカイジの地下王国の給料日みたいな感じなってることに気付いて少し笑えた。「いつから地下住民になったんだ?俺は?」とバカなことを考えながらタイ嫁を見ると「これは60点かな」と珍しく高得点をつけてた。味もそうだけど、値段がリーズナブルなのは高得点らしい。

腹一杯食べて、外で一服してると「色々あったけど楽しかったね!バイク怖いと思うけど渋滞するからバイクでホテル戻ろう」とニタニタしながらBoltでバイタクを呼んでいた。これはバイク嫌いの自分をイジるためのトラップ。バイクで事故した経験のある人間をバイクに乗せる気持ちだけは理解できなかったけど、車だと渋滞するかも知れないってことでバイクで帰ることになった。

正直バイクの3ケツは慣れない。毎回落ちそうになるあの感じを体感するたびに胃が痛くなるだけど、この日は違った。お金持ちの知り合いに一番幸せだった時のことを聞くと口を揃えて「お金がなかった時」の話をする。なんでだろうか?お金がある時が一番幸せでしょ?って昔は思ってたけど、お金がないから頭を使うし、恥ずかしくて言いたいないことも話すことで価値観が変わって、絆が深まることを今は知ってる。そんな経験もタイ嫁と共有できてることがどこか嬉しかった。

そんなことを考えながら何度か落ちそうになったけど前に座るタイ嫁の腰をグッと掴んで、渋滞してる車の脇を蛇みたいにすり抜けてホテルの帰路を急いだ。

PM11:05
ホテルに到着して疲れた足を持ち上げながら4階まで登り、歯ブラシだけして、2人ともベットに入った。タイ嫁は疲れ果ててたのか数秒で眠りについた。

そんな彼女の寝顔を見ながら1日を思い出してたら「お金はないけど、心が豊かなら幸せになれるもんなんだな」ってフッと思ったことを日本語で言ったら急に起き上がってきて「何を言ったの」と詰められた。こうなると長い。その時は答えなかったけど、こんな貯金もない節約生活っを36歳でしてるのは恥ずかしいし、タイ嫁にも申し訳ないと思ってたけど、タイ嫁はお金よりも自分といることが重要で、お金は必ず稼げるから今は新規事業に集中して、生活に関しては今できる範囲で全力で楽しもう!って気持ちなのが伝わった1日だった。

たまに金銭感覚バグたり、意味わからないこと言い始める時もあるけど、本当に良いタイ嫁だよ。まだ2人の生活は始まったばかりで、越えられないと思っちゃう壁もこれからいっぱい出てくるだろうけど大丈夫よ。一緒に夫婦生活楽しみましょうと思いながら眠りについた。

果たして、このタイ滞在期間内で結婚証明書は取得できるのか?また続編書きます。


※この記事は2023/05/31に公開した情報になります。
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この記事を書いたのは...

出会って1週間のニューヨーカーと結婚、2年目で突然離婚&ホームレスから起業して生き返って、コロナで再び事業死亡から新規事業で借金返済して、新規事業調査で訪れたタイで出会って1週間のタイ人と結婚みたいな波乱万丈な人生送ってます。詳しい自己紹介はこちらから。

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