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日記

タイで大麻農家を辞めて貯金ゼロからの話

2024年09月22日(日)

大麻農家を辞めてから約5ヶ月が経った。みんな元気かい?相変わらずタイ嫁にもタイの法律にも振り回れまくって、想像以上に疲弊してるし、貯金もなくてヒーヒーだけど、なんとか息してます。今、何してるかって話の前に「大麻事業今もやってんの?」って質問が多いので、その話からしたいと思う。

5月に大麻事業を一時撤退した時は大麻がドラッグにまた逆戻りみたいな話もあったが、結局はドラッグに戻るどころか、真逆の”経済作物”として今後大麻を取り扱うと言い始めた。つまり、今後もタイでは今までと変わらず大麻はあちこちで簡単に買えるようだ。タイはあっち行ったり、こっち行ったりと話が全くまとまらないのはタイに住んでから何度も経験したが、これがタイランドというやつだからしょうがない。

だけど、ダメージは大きい。法律改正の話が出たあたりから違法で大麻栽培してた大麻農家の多くがリタイアして、売り逃げようとして破格で市場に大麻を卸したことで多くの大麻農家が採算が取れない状態になってしまった。「まさかこんなにもダメージがあるとは…」って衝撃を受けた大麻農家も多かったけど、それだけ違法で栽培してた人たちがいたってのも驚く。一説にはタイの70%が違法栽培者だったとか。そんな犯罪チル野郎が多いのは「パタヤの日本人大麻農家界隈オワコンです」の記事を読めばわかるよ。

卸単価が昔のような単価に戻ることはほぼないと考えてる。1年前は卸価格が1g350B(約1400円)だったのが今ではg50-65B(200-280円)まで落ちたし、最近では35B(約140円)で卸してる農家もいるとか聞く。こんな金額では自分で吸う用で趣味で栽培する程度ならいいけど、事業として大麻農家をやっていくのはほぼ無理。もし今から事業としてやるならある程度の収穫量が取れる広さのファームと設備投資と卸先は必須になるし、ただそれだけの広さを毎日管理できるのか?それだけの環境を揃えるのにいくらかかるのか?収穫までのランニングコストはどう耐える?そもそも収穫したものが売れるのか?売れる売れないに関しては何かユニークなアイディアがあれば可能性はあるが、品種や栽培方法で差別化しようとしても”オーガニックでやってる、やってない”くらいしか市場は見てないし、オリジナル品種もユニークだけど高単価で卸せるくらいユニークか?と言われたら疑問だ。もちろん、”海に潜って海藻をとって使ってる”とか”エレファントビレッジにいる象のうんちをもらって使ってる”などぶっ飛んだ有機大麻農家なら興味を持ってくれるディスペンサリーもいるかもしれないが、それでも多くはそこそこクオリティーが良くて、お手頃な卸価格の大麻を探してるので栽培方法で差別化するもはほぼ無理と考えた方がいい。あと既に多くのディスペンサリーが仲が良い卸先を持ってるから割り込むのも難しい。

まだ色々タイで大麻農家やるのが厳しいポイントはあるけど、これにプラスで多くの人が僕みたいにタイ人と結婚して、タイ人の大麻ライセンスで動くのではなく、日本人だから普通に事業として会社登記してビザとライセンスを取らないといけないが、ライセンスを取って収穫をする前に心折れるまたは資本が尽きる人が大半だろう。

それに変わったのは卸し単価だけじゃない。購入するユーザー側の意識が変わったのも大きい。1年前はまだ大麻農家の技術レベルも今ほど高くなかったのもあり、高品質の大麻はお手頃に買えなかったから”値段が高くても良いから最高のクオリティーの大麻が吸いたかった大麻初心者”が多かったけど、今は大麻農家が作るクオリティーも良くなったのと、そのクオリティーで満足する人が吸ってる側も増えてきた。そうなると今現状の”80点くらいのクオリティーで卸価格が50-40B(約200-160円)くらいの安い大麻”を持ってる農家の需要が伸びる。

たまに海外(特にアメリカ)からインポートした大麻を強みに売ってるディスペンサリーもあるが、元々ニューヨークに10年住んでて、タイで大麻農家をやってた身から言うと結局アメリカから入れたとしても品質の最高な大麻は身内で消えて、まぁまぁの品質のは地元の市場に流れて、ゴミみたいな大麻が外で流れているイメージ。だから、インポート=最高の大麻とは到底思えない。どっちにしてもインポートよりも良い大麻はタイにあるし、インポートで騒いでる人は情報操作されてるだけだと個人的に思ってる。タイには素晴らしい大麻農家があるから必ず最高の大麻はタイにもある。ただ、最高の大麻は市場ではなく、身内で消える。これ、大麻農家なら当たり前の話。

ここまでいろいろ話したけど、正直もう卸し価格が下がることはあっても、上がることはないと個人的に考えてるので大麻農家に戻ることは99%ないです。

とは言っても、”大麻の力で世界を救いたいって気持ちは今も変わらない。現実を受け止めて大麻農家は無理だからやめると覚悟を決めても、何か大麻に携わる事業はやりたいと心のどこかで叫んでる自分がいる。ただ、すでに1200万円以上の損失を出した僕には体力もないし、こんな現実の中で大麻農家を続ける気持ちもどこかに消えてしまったのとタイ嫁がライセンスあるので自分たちが吸う用に趣味程度で大麻栽培を続けることにした。

なので、大麻農家は”やめる”しか選択肢がなかったのでやめた。

大麻農家を辞めて、再度スタートを考える

もう大麻農家は無理なんだとうっすら諦めてたのが、はっきり諦めるに変わった瞬間のあの日の夜。ひとり、ベランダで一服しながら、横にあった開花中の大麻の苗を見て、泣きそうになった。37歳になって、無職になって、また貯金ゼロからのスタート。もう、大麻農家は無理なんだ。他の事業を考えないと。だけど、今回は大都会ニューヨークではなく、タイの都市バンコクではなくパタヤ。今まで以上にゴールの見えない地獄をこれから見ないといけない現実と、いつになったら地獄から抜け出せられるのかもわからない不安と大麻で地球を救うためにタイに来たのに大麻事業が出来ない辛さに殺されかけた。それに今の自分には家族がいる。一人ならなんとかなることも家族がいるとなると動き方も変わってくる。

今後も家族を守る為には大麻農家のことは一度忘れて、”今の自分に出来ること”を必死で考えるしかなかった。コストもかけないで、成功率が高くて、楽しくお金が稼げること…Webメディアしかない。

実はニューヨークに住んでた時もニューヨークの旅行者向けに「NYPG」というWebメディアを運営して、アテンドやセミナーなどいろいろコロナ前までやってた。元々WebスキルとSEO対策スキルがあったのと記事を書くのは好きだったのもあって、一番頑張って運営してる時は「ニューヨーク お土産」や「ニューヨーク 自由の女神」などのニューヨーク観光に関するビックキーワードの1位をかなり取ってた。

パタヤはニューヨークに比べると弱いけど、パタヤもまた観光の街なのは間違いない。

それにパタヤにいる日本人でWebメディアを運営してる人の数も少なければ、レベルもニューヨークに比べればかなり低い。なので、「パタヤ 観光」と「パタヤ 移住」、そして自分の強みである「タイ 大麻」に関するキーワードの上位を全部取得してるWebメディアを作ることを目標としたWebメディア「Pattaya or nowhere」を9月中に立ち上げることにした。今後はパタヤ観光やパタヤ移住に関するサポートサービスも始めるし、パタヤで大麻を吸いたい人に大麻農家から直接買えるサービスなんかも始めれたらなと思ってますので興味ある方は引き続きチェックしてください。

Webメディアの特色としては大麻農家をやってたくらいなのでパタヤだけに限らず、タイの大麻事情についてどこよりも表も裏も含めて書かれてるWebメディアになりますので乞うご期待。

「…うん?大麻事業はじゃあもう終わり?」って思った方、いえ、終わりませんよ。

地獄のような毎日を過ごす中で、僕は大麻ではなく、マジックマッシュルームを食べるようになった。大麻が広く浅くアイディアが出るなら、マジックマッシュルームは1つのアイディアを掘る感じ。これは楽しさはなく、修行でしかない。大麻と違って5時間は効果が続くから毎回辛い世界を向き合う覚悟はしないといけないし、やっと見つけた突破口に見えるアイディアも簡単に崩れる。こんな地獄の修行を1ヶ月(1週間2,3回)続けて、体もメンタルもボロボロになって、周りからも「最近痩せたけど大丈夫か?」と見てわかるほどの変化が体にもでていた。

だけど、この1ヶ月間の地獄修行を続ける中で僕の運命は”また少しだけ”確実に変化して、少しずつだけど前に動き始めた。

この話はまた次の記事で書くよ。


※この記事は2024/09/22に公開した情報になります。
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この記事を書いたのは...

【街路ch出演】ニューヨーカーと出会って1週間で結婚し、ニューヨークに移住。しかし、2年で離婚し、その後8年間ニューヨークで波乱万丈な生活を一人で生き抜きました。10年後、パタヤでゴーゴー嬢と結婚し、タイに移住。かつては有機大麻農家として働いていましたが、現在は大麻盆栽家に転職しています。大麻盆栽「Wabi sabi」では、環境に優しい有機肥料やミミズの土を使用し、廃材や苔を活用して、持続可能な未来を目指しています。自然との共生を体現し、大麻盆栽を通じて新しい視点を提供しています。詳しい自己紹介はこちらから。

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