また9月11日がやってきてしまった。
ニューヨークで2001年9月11日に起こった同時多発テロから今日で20年。まだ10年くらいしか経ってないような気もするけど、今年は20年目だったらしい。
節目ってのもあるし、どうせ人は多いだろうけど行くことにした。いや、本当は気分が落ちるから行く予定はなかったけど、起きてなぜか行こうという気分になったから行くことにした。直感が働く時は何か気付く時や学ぶ時が多い。
週末のニューヨークの地下鉄はいつも最悪だ。なぜか人の移動が多い週末に限って工事をしていたり、電車の行き先がいつの間にか変わっていることはよくある。今日も最寄りの駅の「World Trade Center st」に行く電車も止まっていたから遠回りをして別の駅に行くしかなかった。
電車の中で僕は気分が落ち着く音楽を聴きながら当時のことを思い出してた。当時14歳で「アメリカで起こったことなんて僕の人生に関係ない」って本気で思ってたから同時多発テロに関しては映画の世界の話を見てる気分だった。だけど、18歳でニューヨークが好きになってから考えが変わり、当時のことを勉強するために「911メモリアルミュージアム」にも何度も行ったが、知れば知るほど吐きそうになる頻度は増えた。
(参考:911メモリアルミュージアムは混雑してる?チケット購入と博物館巡り)
この博物館にある資料はショックなものが多い。例えば本当に人が飛び降りる瞬間の映像や写真が残っている。何度見てもあれは衝撃的だ。そんな事件が起こった日に、その場所に行くのは本当に足が重かった。
最寄り駅に着いてからは遠くに見え隠れするワンワールド展望台の方向に向かって歩いた。途中色々思い出して気持ち悪くなったけど、それはあの日追い込まれて飛び降りた人の気持ちが少しわかる自分がいたからでもあった。何度も死ぬ経験してるをしている僕には普通の人より想像できるだけ辛かった。
人間は想像以上に弱いし、簡単に弱る。どうしようもない現状に追い込まれると普段は考えないことを考えるし、全てを諦めて行動にも移してしまう時もある。
気分が悪くて人混みをかき分けていると「真実を知りたいんだ!資料を開示しろ!」と1人の男性が叫んでいた。
これは日本語でもニュースになっていたけど、この同時多発テロ事件には色々な闇が多い。遺族の人や当時現場にいた人の中には隠してる機密資料の中身を見て、全ての事実を知りたい人が多い。バイデン大統領も資料の開示を支持ということも言われているので、もしかしたら数年以内には真実がわかるかも?
そんなことを考えていたら少またし体調が悪くなった。周りを見渡すと街角の椅子になる台があったから腰掛けて一呼吸おいて、空を見上げた。
そこにはあの日と同じ青空が広がっていた。
2001/9/11に同時多発テロの標的にされたワールドトレードセンターの跡地に行ってきました。規制されて中に入れなかったので人混みが少ない場所からボーと見てました。資料で当時の話や映像を見ていたので、ショックがいつもより大きかった。時間は想像以上に経つのが速いが、人間は成長してるのか…? pic.twitter.com/oY0XrS9iZb
— Kei | 小さなニューヨーカー (@smallnycer) September 11, 2021
“人間は学ばない生き物だ”
イギリスの歴史学者「アーノルド・J・トインビー」の名言。残念だけど、この言葉は当たっている。
もうあれから20年経ったのに世界のどこかでは今日も戦争が行われていて、関係のない市民が殺され、自由が奪われ、戦争の影響から餓死して死んでいる子供達もたくさんいる。確かに技術は進歩したし、SDGsの取り組みなど「平等な世界」を作る動きは昔よりも遥かにあるのに結局歴史は繰り返している。
「時間は想像以上に経つのが速いが、人間は成長してるのか…?」
歴史から多くの人間は学ばないけど、歴史の大切さを知ると溢れるほど学ぶこと、今の生活が幸せであることに気付く。
歴史を学ぶことは大切だ。
※この記事は2021/09/12に公開した情報になります。
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