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ニューヨーカーと離婚後の生活

20代と30代はニューヨークを住めば見える世界が変わる!本物を見極めるセンスの話(3-13)

2026年03月02日(月)

「Kei君はホームレスになってでも、ニューヨークで20代、30代は過ごすべきだよ」

あの言葉を言われて随分だったけど、38歳になった今、本当だったんだなと痛感している。以前書いた「ニューヨーカーの友達に教えてもらった“人生をチートする裏技”」の続きだ。あの夜は赤ワインを飲みながら、カリフォルニアから運んできたばかりだという一本を一緒にチルっていたから、細かい会話はあまり覚えていない。でも、この言葉だけは妙に鮮明に残っている。

「ニューヨークは他の国と経験値の密度が違う。東京の1年がニューヨークの1日だよ。」

ニューヨークに来たことがない人には誇張に聞こえるかもしれない。でも、数日滞在しただけで価値観がひっくり返る人を何人も見てきた僕には、その意味がわかる。本当に別人のように行動が変わっていく人もたくさんいた。

酔っ払いながら僕は聞いた。「ニューヨークに20年間もいる価値って、そんなにあるんですか?」すると彼は笑いながらこう言った。

「ニューヨークの何がいいって、街に出ればセンスで溢れかえってるじゃん。20代と30代はセンスを磨いて、40代で戦うのが世の中の仕組みだよ。だからニューヨークで20代、30代を過ごすのはチートなんだよ。」

センスを持ったまま40代を迎えること。それがどれだけ強いか。そして、ニューヨークにいるだけでセンスは磨かれると言い切る彼の自信。その理由はシンプルだった。

ニューヨークには、本物が当たり前に存在している。

20代と30代でどこにいたかでセンスは決まる

センスとは何か?考え続けて出た答えは、知識ではなく経験の総量だった。多くの人は知識を積み上げる。資格を取り、情報を集め、正解を探す。でもセンスは正解の暗記からは生まれない。自分の体で見たもの、触れたもの、失敗したもの、その蓄積からしか育たない。

一流ホテルのサービスを一度体験するだけでも、視界は変わる。毎日その基準で生きている人が中流ホテルに行けば、ほんの少し基準を伝えるだけで空気が変わる。なぜか。一流の基準が体に染み込んでいるからだ。

ニューヨークは、その“一流同士が毎日ぶつかり合っている場所”だ。広告も、アートも、ブランドも、野心も、すべてが本気だ。街を歩くだけで基準が上がる。何気なく入ったギャラリー、地下鉄の広告、カフェで隣に座った起業家。そのすべてが刺激になる。世界中を飛び回るアートコレクターの友人も、「こんな街は他にない」とよく言っていた。

AIが知識格差を埋めていく時代、これから広がるのは経験格差だと思っている。どこで、誰と、何を見てきたか。その差は簡単には埋まらない。僕は学歴よりも、ニューヨークでの10年を選んだ。あの街で本物を見続けた時間は、今も自分の判断基準として体の中に残っている。

トレンドは“生まれる場所”がある

ニューヨークが特別なのは、トレンドを“追う街”ではなく“生み出す街”だからだ。企業は莫大なマーケティング費を投じ、アーティストは命を削るように作品を生み出す。本気の人間しか残れない空気がある。

特にアートの世界は象徴的だ。メトロポリタン美術館、MoMA、ホイットニー美術館。世界を代表する作品が日常の中にある。ニューヨークIDを持つ市民なら無料で入場できる場所も多い。チェルシーやブルックリンのギャラリーは無料で開放され、何億円もする作品が普通に展示されている。当時そこまで裕福ではなかった僕でも、最先端のアートに毎週触れ続けることができた。ニューヨークという街のエネルギーに、アートという刺激が重なる。あれは贅沢だった。

ニューヨークで磨いた目で見るタイ

「本物には物語がある。そして美しさがある。」

ニューヨークにいた頃、週末はチェルシーフリーマーケットから始まり、様々なヴィンテージショップを巡った。冬の朝、温かい紅茶を片手に出店を歩く時間が好きだった。お金を使わなくても、本物が並ぶ景色を見て、スタッフの人から話を聞いてるだけで満たされていた。

ヴィンテージにハマったことがきっかけで、南米やイタリア、香港など様々な国で買い付けもした。本物だからといって必ず高いわけではない。価値を理解されていない場所では、驚くほど安く眠っていることがある。その瞬間を見抜けたとき、自分の中で何かが確信に変わる。その感覚が好きだった。

36歳でタイに移住し、大麻盆栽に使う陶器を探しにセカンドマーケットへ通うようになった。数万円してもおかしくない日本の陶器が、100円で並んでいることもある。価値がないのではない。気づかれていないだけだ。ニューヨークで10年、本物を見続けたからこそ、タイで眠っている本物が見える。このスキルを活かした何かが出来ないか?と考えてやろうと思ってることがあるけど、それはまた別の時に話す。

最後に一つだけ言えるのは、ホームレスになってでもニューヨークにいた選択は間違っていなかったということだ。20代、30代を過ごしたあの時間が、今も僕の基準を作っている。ありがとう、ニューヨーク。


※この記事は2026/03/02に公開した情報になります。
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この記事を書いたのは...

「大麻=ネガティブ」を変えるオーガニックギャングスターを見つける為にタイでWebメディアや大麻盆栽、竹製喫煙器具など色々やってる。NYやタイでの波乱万丈な鬱人生は「大麻のそばで、僕は変わる」にて連載中。 大麻カルチャーに名を残すはずが借金2000万抱えてるけど、夢には近づいてる。詳しい自己紹介はこちらから。

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